人気ブログランキング | 話題のタグを見る

岸良裕司「マネジメント改革の工程表」

岸良裕司「マネジメント改革の工程表」

を読んだ感想。

■前振り
朝会のスピーチ当番の折、
面白かったビジネス書
エリヤフ・ゴールドラット「クリティカル・チェーン」の話をした。
サブタイトルは「なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?」と
なんとも刺激的。
これが目からウロコが落ちまくる面白さだった。
内容は、著者であるゴールドラット博士が提唱したTOC(制約条件の理論)を
プロジェクト管理に適用した場合を、小説仕立てにしたもの。
博士は本業は物理学者だが、
ドラッカー先生が自ら「もしドラ」を書いているようなものだから、
非常に平易でわかりやすく、
そして小説としてもこれまた非常に面白い。
プロジェクト管理をしている人はみんな苦しそうだし、
実はみんなイヤイヤやってんじゃないの?と思っていたが、
この本を読んで「あ、なるほど、実は面白いのかも」と
思うようになった。
また、ビジネス書とかマジオヤジ臭wwwと思っていたが、
これを機にビジネス書を読むようになった。

というようなスピーチをしたところ、
E部長から、TOCの本たくさんあるよ、と言われた。
クリティカル・チェーン関係のがあれば貸してくださいと頼んだところ、
前述の本を貸してくれたのだった。
実は最近私はE部長のファンなので下心がくぁwせdrftgyふじこlp

■内容と目次
人が育ち、現場がよみがえる。
社員も社長もうれし泣きする「ゆとり」の経営改革。
大企業から中小企業まで、導入先でことごとく成果を出してきた経営改革手法を、
わかりやすいイラストと図解で解説!
経営改革のジャマをする「会社の害虫」をこの本が退治します。

1 経営とプロジェクト
2 経営改革をジャマするもの
3 サバの読み方・使い方
4 目標を共有する
5 改革の工程表をつくる
6 ゆとりのマネジメント改革

■感想
思ったことを列挙。

○ユルくて読みやすい
文がユルい。
絵も図もたくさん。
字が大きい。
1日で読める。
普段、本を読みつけない人にも
とっつき良いだろう。

○帯に爆笑
『遅れる納期」』『ふくれる予算』、そして『発展的解消』

発展的解消ってwww
オトナ語すぎるwww

○「全体最適」ってイヤな言葉だ
ウチの会社では、「全体最適を考える」というのは
「お前んとこのプロジェクトで火を噴いてても
 売り上げ安いから助けてやらない我慢しろ」
もしくは
「もっと儲かる別プロジェクトが火を噴いているから
 お前んとこの優秀なの引き抜くけど我慢しろ」
という意味。
一気にやる気がなくなる魔法の呪文である。

思うに、目的や目標が共有されていないのではないか。
何が「全体」で、何が「最適」なのか、
そこの定義が各個人で違っている。
今年度はいくら儲けましょう、は目標としては弱い。
本書にもある通り、もっとソウルフルな言葉を目標にするべきなのかも。

○性善説すぎ
他のプロジェクトに助けられると
別のプロジェクトを助けたくなるものだそうだ。
少なくとも、ウチの会社では違う。
火を噴いて助けられたらPMはオワリだし、
収益の悪いプロジェクトに関わったらオワリである。
だから別プロジェクトを助けたがらない。
火消しが得意な人もいる。
「オレが入るからには、好きにさせろ」と言って、
あちこちのプロジェクトから優秀な人を引き抜くので、
あまり好かれていない(笑)

助けたことで評価が下がるようでは問題なので、
評価制度も併せて考えなくてはいけないのでは。
私のように、モチベーションがお金や昇進でないメンバーに
どのように報酬を与えるかも、ちょっと難しいなぁと思う。
あと、やっぱり見える化が足りない。
優秀な人を引き抜かれたとき、「仕方がない」と思えない。
社内には、各プロジェクトの状態を一覧できるツールはあるが、
プロジェクトが火を噴くと後述のPMOが介入してきて面倒なので、
みんな粉飾進捗(笑)をしている。
結局、全然見える化はなされていない。

○PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)
ウチの会社にもPMOがある。
ただしそこは助けてくれる場所ではなくて、
会議で絞られる場所である。
火を噴いてるっつってんのに、
報告書の提出を求められ(そんなことしてる場合ではない)、
会議で長時間絞られ(そんなことしてる場合ではない)、
火消しが得意な声の大きいオジサンが投入されて、
毎日彼に怒鳴られながら針のむしろに座り
納期に滑り込む。

これは、PMOの存在意義が、
PMOの人たち(主に偉い人)の間で
共有されていないのが原因じゃないのか。
もしくは存在意義を間違えている。
PMOの人たちは、PMOは監視する集団だと思っている節がある。
いやいや、助けてくれよ。
見張ってるんじゃなくて。

○とりあえず
部署のことや会社全体のことはおいといて。
「ひとりODSC」は私にもできそうだ。
目的、成果物、成功基準を明確にするのは、仕事に限った話ではなく、
ゴールドラット博士の言うように、日常生活にも応用できそう。
何事も自分にできるところから。

追記:
E部長と話をした。
 私:ウチの会社の、プロジェクト見える化ツールは
   本当はこういうことしたかったんですかね?
 E:えー?どこにバッファがあんの?そんなのないじゃん。
 私:余裕のあるプロジェクトが火事プロジェクトを助ける、とか。
 E:いやーただ上が把握したいだけでしょ
部長という立場から見ても、やっぱりただの監視ツールなのか。
もっと有効な使い方があると思うんだが。
だからみんな粉飾進捗(笑)するんだよう。
by xiaoxia | 2012-01-05 17:49 | 読む
<< 食べログのやらせ業者問題について あけまして >>