カテゴリ:女性とは( 3 )

育ててもらう

先日演奏会があった。
弦楽器の女性は、みんな同じ控え室である。
弦楽器は人数が多く、管楽器よりも女性比率が高いので、
30人近くが、控室にぎっしり入り、
みんなで衣装に着替える。
着替えながら、
スカートのチャックが締まらない、
新しいブラウスを買ってきた、
飴ちゃん持ってきたからみんな食べてね、
昨日は子どもの卒業式だったから疲れた、
などなど、女子トークをする。
20代から60代まで幅広い年代の女性がいるが、
女子はいくつになっても女子だなぁと思う。

女性団員の入団・退団はあるのだが、
動きがあるのは20~30代の人が多い。
50~60代の大きいおねいさんたちは、
10年以上前から最年長で、現在も最年長である。
私はこの団に15年近くいるので、
おねいさんたちの会話を身近で15年間聞いてきた。

おねいさんたちの最近の話題は「健康」である。
一番多いのは関節の話。
特に手の指。
弦楽器の演奏には、手の指は絶対に使うわけで、
手指の関節の異常は、演奏に直接的に影響するし、
毎週楽器を弾くので、異常にも気づきやすいようだ。
関節が痛いとか、
腫れてきたとか、
靭帯を切る手術をしたとか、
そういう話が多い。
おねいさんたちが一様にそういう話をするのだから、
きっとそのくらいの年齢の人は経験するものなのだろう。

次に多い話題は更年期である。
自然の摂理なのだから病気ではないのだが、
それまでとは違う体の状態について、
自分はこうだった、という話をしている。
最初は脇に妙に汗をかくようになった、
ちょっと真剣になると頭にぶわっと汗をかくようになった、
顔がかーっと熱くなるようになった、
などである。
前はふーんと聞いていたけど私もそうなったわ、
勉強になるわねーという話も出ていた。

通常、こういう話は母親からしか聞けないのではないかと思っているので、
非常に興味深く聞いている。
多くの家庭では、母親が更年期の時期は、
娘も一人暮らしをしていて、
話す機会が少ないのではないだろうか。
私も、自宅にいても大学生だったり社会人になりたてだったりで、
ゆっくり母親と話さなかった気がする。
昔は大家族だったり、近所づきあいが濃厚だったりして、
母親以外の女性として先輩な人が身近にいて、
母親以外からもこういう話が聞けたのかもしれない。
今は、違う年代の女性と知り合う機会は、それほど多くないと思う。
会社の先輩と、更年期のディープな話をする機会も、
なかなか作れない気がする。
お酒の席の話題としては、ちょっとアレだし(笑)
そういう意味で、こういう市民オケのような、
地域のサークル形式の活動は、いろいろ得るところが多いと思う。
大学オケ同期の延長のオケでは、得られないものである。

と考えて、これって子どもが育つのと同じなのじゃないかと思った。
私は常々、子どもは色々な人に育ててもらったら良いのじゃないかと思っていた。
一人っ子や、数人の兄弟の中で育つのも良いけど、
もっとたくさんの子どもたちや大人の中で育った方が、
親兄弟から得られる以上の情報を得られるのじゃないか、と。
そして、それは大人でも同じなのかもしれない。
当然ながら、私は今、生まれて初めてアラフォーをやっているのであり、
これからも、生まれて初めて50代になり、
そして、生まれて初めて60代になるだろう。
当然ながら、毎回「生まれて初めて」であり、
知らないことだらけである。
色々な年代の人と接していれば、
親兄弟から聞く話よりも、
もっとたくさんの人から多様な話を聞くことができる。
私はこうしてたくさんの人たちに育ててもらっているのだろう。
きっと死ぬまで誰かに育ててもらい続けるのだろう。
私も誰かを育てているのかもしれない。
そうであればいいなと思う。
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by xiaoxia | 2010-03-24 18:26 | 女性とは | Comments(0)
チグリスとユーフラテス

この本は、私の中では、新井素子の一番の傑作。amazonはこちら。bk1はこちら

地球からの移民を開始してからたった400年で、移民星ナインから人類が消えようとしている。最後の子供ルナが生れてからもう80年も経ってしまった。
そしてルナはコールドスリープに就いている人々を独りずつ起こしていく。疑問に答えてもらうために。
「何故ママはルナちゃんを産んだの?」
コールドスリープから起こされたのは、時代の新しい順に4人。最初はルナの母の友人、最後は移民に来た人、という逆年代記になっている。4人とも理由があってコールドスリープに就いたけれど、ルナと接触することで、自分を省みて、それなりに納得の行った死を迎える。そうしてまた独りになるルナ。

テーマは、「人は何のために生れてきたか、その生に意味はあるのか」ということだと思う。
そしてまた「自分以外の存在があることの幸せ」ということ。こちらは初期の作品の「グリーンレクイエム」から続くテーマだろう。
この作品は、SF大賞を取ったらしい。確かに彼女にしては大作だし、テーマも重い。
人物の書き分けが全然なっていないとか、SF的におかしいとか、移民社会の成り立ちがおかしいとか、色々ヘンな点はあるけれど、新井素子の言いたかった事だけわかればいいかな、と思う。
そこに辿り付く前に、この文体が辛くなってしまって脱落する人も沢山いるだろうと思う。「だって、そう思っちゃったんだもん。」「そうやって、ルナ、考えてきたんだもん」とか。これが会話部分じゃなくて、地の文だということが、なんだかモリモリ力が抜ける。
でも、昔から新井素子を読んでいる人は「新井素子回路」があって、多少(かなり)ご都合主義でもあまり気にならないようにできている、という書評を、どこかのサイトで読んだ。私にもそれがあるのだろう、多分。余り気にならなかった(笑)
「最後の子供」という絡みから、不妊に関する記述が多く現れるので、その話題に敏感になっている女性には辛い記述が多いかもしれない。
私は敏感になっているからこそ、これを読みたかった。新井素子ももう「ウチにはまだ子供がいません」というには辛い年齢になってきていると書いていた。私もそうだ。
そんな「繁殖をしない個体」は、日本経済の未来云々の前に、人間という種として、存在意義がないのではないか、と考えるのは止むをえないことだと思う。
そしてそんな自分の存在意義を、新井素子なりに考え続けた結果が、この話なのだろう。答えとしては悪くないなぁと私は思う。
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by xiaoxia | 2004-02-25 18:53 | 女性とは | Comments(7)

今日読んだ本

ボーヴォワールは語る~「第二の性」その後
アリス シュヴァルツアー (著), Alice Schwarzer (原著), 福井 美津子 (翻訳)

↓の「できるかな」と同時に読んじゃうあたりが、アタシの読書の方向性を語っておりますが(笑)
図書館で「第二の性」を借りようと思ったら、全4巻中2巻と4巻しか入っていないらしい・・・ってをい!なんで全部買わないんだよ!?
仕方無く、「第二の性」のテイストだけでもと思い、対談集をゲット。
ボーヴォワールと言えば、「第二の性」で鮮烈な印象を残したフェミニストですが、
ひどく急進的でアグレッシヴな人という、勝手な印象を持っていました。
(ほら、フェミニストってみんなコワいじゃん)
男なんか排斥しちゃえ!!みたいな。でも違うんですね。
彼女は当時は男女平等さえ実現されたらよいのだから、別段フェミニストであるつもりはなくって、社会主義者だったのね。
で、社会主義もまた男女平等を具現化できないとわかって、フェミニストと名乗るようになる、知らなかったなぁ。
ほかのびっくりとして、1970年代でも、フランスでは、妊娠・堕胎はまた女性の自由ではなかったのね。
やっぱりキリスト教国は日本よりもそういうところは厳しいんだろうなぁ。
ま、日本でも「よっぽどの事情じゃなきゃ堕胎しちゃだめ」とかいう優性保護法なんて法律があるけどね。
いや、私は堕胎を奨励しているのではなくて、女性の側に主導権がないのがオカシイって言いたいんだけどさ。
で、なるほど~と思った彼女のお言葉。
  • 女性だけの世界(団体)を作っても、現在の男性だけの社会の女性版になるだけだから、ちっとも男女平等にはならない。
  • 現在の男性社会に言いたいことを言おうと思うのなら、女性も多少は男性社会での力(地位とか名誉とか)を身に付けなくてはいけない。
  • デキる女性は「デキないのはお前が悪い」という、女性が劣性であることを強化するのに使われてしまう。
  • さすがに鍋を磨くのは神聖な仕事だとは言えないから、育児は神聖だと言われる。どちらにしろ、女性を家庭に縛りつけたいだけだ。
  • 結婚して子供を持つことはもう救いようがなくなるから、子供を持つなら結婚せずに持った方が良い。

ぜひ「第二の性」も読みたい。
あ、彼女の伴侶だったサルトルの本も読みたくなったな。

できるかなV3
西原 理恵子 (著)

とうとうできるかなも3巻目。
結婚・出産などが続いていたサイバラ師、育児休暇も明け、いよいよ活動本格化です。
さて今回の挑戦は「脱税」やら「ホステス」やら。いや、相変わらず攻めまくり。
でも「ホステス」んとこは、ちょっと「ぼくんち」テイストがあって、ほろりとさせられてみたり。サイバラさんは、一生懸命働く女には優しいんだよね。
ほか、鴨ちゃんをテーマにした一連の作品など。
鴨ちゃんとは2003年にお別れしてしまったようですが、
一緒に活動はしているようです。
オフィシャルページの「日々まんが」に、ホンネなのかホンネ風ネタなのか微妙ではありますが、鴨ちゃんへの思いが綴られていて、またしんみり。
いや、でもそれ以外では、勿論「毒」は健在です。「脱税」の章は絶対面白い。
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by xiaoxia | 2004-02-09 19:25 | 女性とは | Comments(0)

ダメ女プログラマ&主婦&腐女子&バイオリン弾き


by 小霞