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システム開発者だからシステムを信用できない

キムタケさんの記事「システム開発者はシステムを信用しない」にトラバ。

記事内の引用文中で、銀行SEの「空のつぶやき」さんは、内部事情を知っているだけに、
インターネットバンキングは使いたくないなぁと仰言っています。
キムタケさんはもっと徹底していて、
「私は他行のATMは使わない。他人には、“手数料が勿体無いから”と言っているが、本当は、銀行口座の暗証番号がネットを流れるのがイヤだから(苦笑)」と仰言っている。

大変同感です。
こう言っちゃナンだけれど、自分で作ったシステムだったら、ますます自分で使いたくないw
色々内情を知っているからこそ、あまり使いたくないのだよね((((^^;;

インターネットバンキングを使いたくないのも、ネット上を暗証番号が流れるのを嫌うのも、
どこかにバグがあるかもしれない可能性があることや、誰かがその情報を読み出せる可能性があること、
つまり、人間が関与している部分があることが問題なのだと思う。
実際問題として、人間が製造・運用をするしかないのだから、やっぱりどこか信用できないままになるのだけど。

まず、バグがある可能性について怖いなぁと思うこと。

バグは減らすことはできても、絶対になくならない。
それはシステム開発者なら、特に身にしみて知っていることだ。
人命に関わるようなシステムだったら、小さなそれも、文字通り命取りなわけで、
そういうシステムを開発するなんて、考えただけでも怖い。
幸か不幸か、私は人の命に関わるようなシステムは作っていない。

銀行のシステムは、国家予算みたいな大きなお金が動くわけで、
ある意味、人の命に関わるシステムだ。

みずほ銀行の合併の時は、システムの統合が遅れたために、大変な混乱を来たしたけれど、
あれは、上部の意思決定が遅かったためと聞いている。
開発工期のエンドは動かせないのだから、
意思決定が遅れると、その分、しわ寄せは現場に来て、開発工数が削られる。
あのシステムの統合に関わった技術者達は、
あの時期、本当に怖かっただろうと思う。

他に、人から聞いて怖いなぁと思ったのは、某航空会社の整備予定を立てるシステム。
整備の不備が大きな事故に繋がるだけに、整備する人は勿論大変だが、
整備をする予定を立てるシステムも、間違いが許されない。
うっかり整備し損ねる機体が出てしまうと、事故に繋がってしまうからだ。

絶対バグをなくすことができない以上、ある程度諦めるしかないが、
なるべくなら近寄らないことにしている。
使用を避けられないもの(飛行機に乗るとか)は、幸運を祈るだけだ。

次に、誰かが情報を読み出せる可能性があることについて、怖いなぁと思うこと。

インターネットなどのネット上を流れている情報が、絶対誰にも読まれていないと、信じることは難しい。
なぜなら、システム開発者は、多少の技術を持ってすれば、それらを読めることを知っているから。
開発の途中で、それらの情報を入手できたこともあるだろう。
悪用しないのは、そういう契約になっているとか、他人に興味が無いか、良心があるというだけだ。

ネットワークなんて、スカスカなものであることを知っているから、
インターネットを介するもので、自分の財産を動かそうとは思わない。
または、スカスカであることを承知で、それを使うのだ。
以前雑誌(多分日経バイト)で読んだのだけれど、
アメリカでは、流出して困る情報はネットに乗せないのが常識だとか。
どんなに隠したって、結局、人間が関与している以上、「絶対安全」はない。

ちょっと脱線すると、住基ネットもしかり。
これだけ無線LANは設定を誤るとキケンだと言われているのに、
電波ダダ漏れのお役所はものすごく多いのだとか。
そんなお役所の人が、住基ネットなんかちゃんと使えるのか?

以前、友達に言われたことがある。
  ネット初心者の友達が「怖いからネット決済はしない」と言っていた。
  そこそこ知っているxiaoxiaさんも「怖いからネット決済しない」と言う。
  知識量は全然違うのに、行動が同じになるのが面白い。

知らなくても、知りすぎても、懐疑的になるのかもしれないねw
by xiaoxia | 2004-08-25 19:01 | コンピュータ関係
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